お肌の基礎知識

皮膚の構造と役割

皮膚の構造は表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されています。
表皮と真皮の間には、栄養や酸素、老廃物など多くの情報が行き交っています。
表皮と真皮の接合部分が基底層です。基底層の細胞分裂から生まれた皮膚細胞が表皮の角質層を形成するまで約4週間を要し、最後は垢となってはがれ落ちます。
これを肌のターンオーバー(肌の再生周期)といいます。

皮膚組織の構造図

角質層には、外界からの刺激物質の侵入や水分の流出を防ぐ役割があります。
スキンケアは、この角質層を正常に整えることが一番大切です。
皮膚の約95%を占有する真皮は、栄養と酸素を皮膚組織全体に届ける重要な働きがあります。
コラーゲンやエラスチンを活発に生成し、ヒアルロン酸として水分を貯え、弾力のある皮膚を作ります。
真皮の下は皮下組織で、脂肪を含み、体温を保ちながら皮膚のクッションの役割をしています。

紫外線・乾燥・活性酸素

活性酸素と肌への影響

活性酸素は、不安定な酸素のことで、何かにくっついて安定しようとする特性を持っています。
くっつかれた物質は、酸化されてしまいます。
また、活性酸素はフリーラジカルの一種で、皮膚の細胞膜の働きを阻害し、過酸化脂質(酸化した脂質)を作り出します。
活性酸素による皮膚細胞の酸化は、メラニン色素を誘発させ、シミの原因となります。
皮脂の酸化による刺激は、ニキビの炎症を招き、それを悪化させます。
そして、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンを破壊し、しわ、たるみ、肌の老化を促進します。

活性酸素の皮膚への影響

紫外線と肌への影響

しわ、たるみの原因 生活紫外線 UVA波

UVA波は、波長が長く天気の悪い日でも地上に降りそそぎ、窓ガラスを通り抜けて家の中まで到達します。
このため、UVA波は常に肌に影響を与え、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンを破壊して、しわやたるみの原因となります。

シミの原因 レジャー紫外線 UVB波

UVB波は、波長が短く皮膚の表面にしか届きません。
UVB波を浴びると肌は日焼けで真っ赤になったり、水ぶくれができたり、軽い火傷のようになります。
皮膚細胞を守るためにメラニン色素が生成され、シミやソバカスの原因となります。

紫外線A波・B波の違い

乾燥と肌への影響

肌の乾燥は、分泌される水分と油分に左右されます。
角質の水分を守るために汗線から出る水分と皮脂腺から出る油分が、皮膚の表面でミックスされ皮脂膜となり表皮をコーティングしています。
季節や年齢によって皮脂の分泌される量は違います。
乾燥した肌は角質がめくれあがって肌荒れを起こし、肌表面のバリア機能が低下するとともにターンオーバー(肌の再生周期)が乱れます。
さらに、肌の乾燥は表面だけではありません。
表皮と真皮層まで影響を受け、皮膚細胞とコラーゲンの力が弱くなり、しわ、たるみの原因となります。

乾燥の皮膚への影響

思春期ニキビと大人のニキビ

思春期ニキビ

思春期ニキビは、過剰な皮脂分泌が原因です。
毛穴の中にたまった皮脂に紫外線や皮膚の常在菌のひとつであるアクネ菌が作用して炎症し、さらに悪化すると化膿して噴火口のように穴があきます。
思春期ニキビは、皮脂分泌が特に多い額を中心にできると言われています。

思春期ニキビの発生原因

大人ニキビ

大人ニキビは、ストレスやホルモンバランス、便秘、乾燥、不規則な生活、食べ物などの多くの原因で肌のバリア機能やターンオーバー(肌の再生周期)が低下することで発生します。
大人のニキビは、口のまわりやフェイスラインにできることが多いようです。

大人ニキビの発生原因

ニキビの炎症

思春期ニキビと大人ニキビは、その発生原因こそ異なりますが、毛穴がふさがり炎症を起こします。
炎症状態によっては、真皮層にダメージをあたえ、ニキビ跡が凸凹になったり、色素沈着を起こしたりします。

ニキビの炎症

ビタミンCの効用

肌の老化はビタミンCの不足から

ビタミンCは、抗酸化、コラーゲン生成、メラニン抑制、皮脂コントロール、細胞活性などに優れ、肌の老化を 遅らせて傷ついた肌を修復する重要な働きがあります。
しかし、私たちは体内で自らビタミンCを生成することができません。
積極的にビタミンCを補給することが必要です。

ビタミンCの働き

ビタミンCの働き

ビタミンC誘導体とは

ビタミンC誘導体は、ビタミンCの浸透力を飛躍的に高め、肌のすみずみに効率よく届くように開発された成分です。
ビタミンC誘導体は、水溶性ビタミンC誘導体と脂溶性ビタミンC誘導体(VC-IP)に分けられます。